2話 2年C組

2話 2年C組

主人公オウカ→オ

モニタ→モ

サウンド→サ

 

オ「遅れてすんませんした❘❘❘❘❘❘‼」

ドコーン‼強烈な破壊音と共に、2年C組教室前方のスライド式扉が宙に吹っ飛ぶ。扉は高速で教師に向かって飛んで行き、銃声と共に木っ端微塵に砕け散る。あまりにも一瞬の出来事に教室内の生徒は、唖然とした表情で前方扉があった場所を見つめる。

サ「……タゼッタセンセイ、オハヨウゴザイマス」

オウカに背負われたサウンドは吐気で青ざめ、モニタは寮から引きずられた影響により一時停止状態で気絶。制服の袖を掴まれ、ドラゴン特有の馬鹿力に引きずり回されたライダーは、モニタ同様気絶。傍から見れば阿鼻叫喚な状態だが、ドンガルダ高校教師として長年勤めるタゼッタは、慣れもあって至って冷静である。

タ「サウンド、吐くならお手洗いでしなさい。モニタとライダーは……気絶しているわね。あなたは見ない顔だから、転校生ね」

オ「はい‼」

遅刻を咎めないタゼッタに安心したオウカは、嬉しさにドラゴン尻尾を振りながら笑顔で教壇の前に向かう。尻尾はモニタの体に当たり、激痛なのか警告音が弱々しく鳴る。心の中で合掌する生徒が多数いたのは言うまでもない。

オ「ドルゴラ高校から転校したオウカです‼イチゴミルクさえあれば何日でも動ける自信あります‼よろしくお願いします‼」

暫し沈黙が流れると、爆笑の渦が巻き起る。

 

タ「2年C組の教室は当面はこの部屋で行うので、間違えないように。いいわね?」

全員「はーい」

タゼッタが教室を退室すると、生徒たちは各々に動き出す。専ら生徒たちの視線は、登校初日に扉破壊をした転校生たちに集まっている。

モ「大広間でそのまま爆睡して、起きたら時刻はすでに遅刻寸前。フリーズから復帰直後のボクと遅刻魔サウンドを抱えて、壁に隠れるスモークさんに校舎の行き方教えてもらい、校舎へ爆走。校舎到着したのはいいが2年C組の場所が分からずウロウロしてたら、2年C組に向かっていたライダーを発見。これ幸いと服の袖を掴んで引きずり回し、2年C組に突進して扉を破壊。吹っ飛んだ扉はタゼッタ先生が愛銃で破壊し、そのまま自己紹介。ということだけど相違はないだろうか?オウカ被告」

昨日に引き続き仁王モードで佇むモニタと、対面の机上で正座をするオウカがいた。

オ「相違はございません。全て真実でございます」

モ「この、大馬鹿者❘❘❘❘❘❘‼」

昨日よりも大音量で警告音が鳴り響く。冷静沈着なモニタをここまで怒らせることが出来るオウカという人物に、生徒たちは増々興味を抱く。

サ「モニタ落ち着け!今日もフリーズを起こすと、当分動けなくなるぞ!」

モ「これが叫ばずにいられるか❘❘❘❘❘❘‼オウカ‼君は破壊するためにここに来たの⁉」

オ「全くもってそんなつもりはございません。本当にすみませんでした…」

モ「ボクに謝るより、他に謝らなきゃいけない人いるでしょうが❘❘❘❘❘❘‼」

サ「モニタ!本当にフリーズするぞ!」

暴れるモニタを背後から抑え込むサウンド、返す言葉もなくただただ縮こまっていくオウカ。修羅場と化す現場にオウカに引きずられた件の生徒が声を掛ける。

ラ「モニタ」

モ「……ライダー」

ラ「フリーズから復帰したばかりだ。これ以上の無理をするようなら、医師として全力で止めるぞ」

モ「……」

ラ「俺は気にしてないし、先生も笑い飛ばしてた。それくらいにしてやれ」

モ「……分かった」

ようやく暴れるのを止めたモニタに、サウンドは安堵する。

サ「さすがリペアドクター。助かったよ」

ラ「…放課後、寮で診察する」

サ「分かった」

ライダーは教室を後にする。

オ「…ライダーって、リペアドクターなのか?」

サ「そうだよ。高校生でリペアドクターなんてすごいよね」

デジラ専門医「リペアドクター」。デジラたちは人間とは身体的特徴などが違い、普通の医師では彼らを診断出来ない。彼らの能力など把握し治療を行うリペアドクターは、通常の医学とデジタル機器の専門知識の両方が必要で、難関資格の一つになっている。高校生で資格を取得しているのは極めて珍しく、ドンガルダ高校ではライダーのみ保有している。

オ「不器用な俺とは雲泥の差だな」

サ「あはは。確かにそうだね」

この日を境に2年C組にて「破壊神オウカ」という称号を獲得したのは言うまでもない。

 

 

2話 2年C組 挿絵

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