白桜学院高等学校シリーズ その2-5

白桜学院高等学校シリーズ2作目。

A5版全60ページ(シリーズ作最長作品)その5

「本当だぜ!」

鈴木を含むサッカーメンバーは、ヒナ鳥を出す作業に加わり、

昊がカラス達を外へ、案内する事になった。亮斗は後に出よう

とした、カラスを呼んだ。

「お~い、カラス君?」

「何だ?」

「出来れば白猫の雲とネズミの隼の、連絡役になってくれないか?」

「あぁ、良いぜ。ついでに仲間集めて、市役所の方も見ておくようにするか?」

「いいのか?!」

「あぁ」

「サンキュー!宜しくな!」

「任せろ!」

 

*   

 

 雲・隼は三人を上手い具合に、市役所から遠ざけていた。し

かし、そろそろ限界になりつつあった。

「困ったわ。そろそろ限界よ」

「でも亮斗君達、終わってないようですし・・・・」

「誰か連絡役がいたら・・・」

「連れて来た!て言ったら?」

『!?』

二人は茂みの方へ向いた。

「速!?」

「速さん!?」

「オレだけじゃないぜ」

二人は後ろの方を見た。そこには晳のメンバーと、カラスが数

匹居た。

「晳さん!後ろの方々は、どちら様ですか?」

「よっ!隼!彼奴らは亮斗に頼まれて、連絡役をやってくれるそうだ」

「そうなんですか!すっごく助かります!」

「ところで、どうして速と晳が一緒に居るの?」

「速はオレ達の案内役で、途中から合流してよ。そんで外に出たら、彼奴らに会ったんだ」

「なるほどね」

「じゃぁ、早速市役所の方に、行ってくれませんか?そろそろあの三人を遠ざけるのが、厳しくなって来てるので・・・」

「おぉ!良いぜ!おまえら行くぞ!」

『おー!!』

バサバサバサ・・・・・

カラス達は、それぞれの場所に向かった。

「ボク達も、頑張りましょう!亮斗君の為に!」

 

 

 一羽のカラスが、亮斗の元に来た。

「亮斗ー!」

「お!向こうはどうだった?」

「そろそろ、ヤバイって言ってたぞ!」

「て事は、時間が無くなって来たな」

「また何かあったら、また来るぜ!」

「あぁ!頼んだ!」

バサバサバサ・・・・・

カラスは外の方へ、飛んで行った。

「おーい、たかー!すずー!」

『何だ?』

「そろそろ、ヤバイそうだ」

「マジか」

「ヤバイな。急がねぇーと」

作業はさらにペースを上げ、続けられていった。

 

 

 太陽は真上に昇り、時刻は昼になっていた。収容所に居た三人は、ボロボロになっていた。

「ちくしょー!!何なんだよ、今日は!」

「本当だよなー」

「これじゃぁ、市役所にも着けね・・・・」

「どうした?」

「近くに、公衆電話あるじゃん!」

『何処だ!』

「こっちだ!」

三人は走り出した。

「ヤバ!三人走り出したぜ!」

「皆、私の背中に乗って!」

雲は皆を乗せ、三人の後を追った。

 

 

 雲は三人の後を、必死に追っかけていた。

「はぁ・・・はぁ・・・あの三人、速いわ・・・」

「このままだと、見失っちゃいますよ!」

三人は走りながら、手で合図を送っていた。

(おまえは左、おまえは右に分かれて行け!)

(ラジャー!)

(了解!)

三人は左、右とバラバラの方向へ走って行った。

晳は言った。

「なっ!三人とも、バラバラになったぞ!」

「無理よ!三人とも追うなんて!」

 

「へへへ。作戦成功☆」

左に向かった男は、市役所の方へ走った。

「これなら着けるはず・・・」

現実は甘くなかった。

バサバサバサバサ!!!

「ぎいぃぃぃぃやぁ~!!!」

前方から、ハトの大群に襲われた。

 

「へへ!ざま~みろ!」

カラスはハトの協力で、男を市役所から遠ざけた。

 

「ふぅ~・・・・成功ぽくね?」

右に向かった男は言った。

「やっと、市役所に辿り着ける・・・・」

現実は甘くなかった。

「あぁー!おじちゃんが、僕のリュック取った!」

「はぁ?何言って・・・・」

男の足下に、なぜかリュックがあった。

「はぁ?ちょっ、待てよ!何で俺の側にあんの!?」

男の子は泣き出し、男の子の母親が来た。

「うぇぇぇ~~ん!!!」

「どうしたの!?何かされたの!?」

「このおじさんが、僕のリュック取った~!!」

「まぁ!ちょっと、何て事するのよ!」

「いや、俺は何にもしてねー!!」

 

「ふん!オレの仲間に、手を出した罰だ。おまえら行くぞ」

『はい!リーダー!』

カラスのリーダー亮(りょう)は、収容所へ向かった。

 

* 

 

「よし!終わったぜ!」

『やったー!』

ヒナ達を運び終わった亮斗達は、外で休憩していた。ダンボー

ル、前籠・・・・とにかく入れられる所に、ヒナがびっちり入

っていた。鈴木は言った。

「ところでよ、このヒナ達何処へ連れて行くんだ?亮斗?」

「あぁ、それは・・・・」

バサバサバサバサ!!!

一羽のカラスが、亮斗の元に降り立った。

「どうした!」

「皆、早く逃げろ!奴らが来るぞ!!」

 

* 

 

 このカラスが、亮斗の所に行く前の事だった。市役所では、市長が怒鳴っていた。

「何をしておるんだ!!もう、昼過ぎではないか!!」

「申し訳ありません!!」

「たく!これだから、最近の若者は信用ならん!!誰か別の者を行かせろ!!」

「は、はい!!」

タタタタタ、バタン!!

「儂(わし)は、カラスが大っ嫌いだ!早く処分して欲しいものだ!!」

今回のカラス狩りは、住民の避難が多数寄せられた為、市長が

命令したのだった。

市長の命令で、七・八人向かう事になった。今日のカラス狩り

をやる序(つい)でに、行く事になった。電流が流れる網や、ヘルメッ

ト等を用意し、トラックが発進した。

 

「早く知らせねぇーと!」

バサバサバサバサ・・・・・

カラスは亮斗の元へ向かった。

 

* 

 

「なっ!それは本当か!」

「あぁ。早くしねぇ~と来ちまう!」

「皆!早く逃げる準備だ!」

『イエッサー!』

サッカー部メンバーは、自転車に乗り出発した。

 

*  

 

 雲達は男を追っかけていたが、見失った為木陰に居た。

「はぁ・・・はぁ・・・疲れたわ」

「ちきしょー!後もう少しだったのによ!」

「まあまあ、落ち着きましょう、晳さん」

バサバサバサバサ!!!

『!?』

全員音のした方へ向いた。そこには、一羽のカラスが居た。

「皆!大丈夫か!」

「私以外は、大丈夫よ・・・・」

「大変なんだ!市役所の役員が、収容所に向かって行ったんだ!」

『え~!!』

「とにかく彼らはボク達の、リーダーの所に向かったと思うから、出来るだけサポートしましょう!」

「雲さん、大丈夫ですか?」

「はぁ・・・・気にしないで、大丈夫よ」

「無理しないで下さいね?」

「えぇ。分かってるわ」

速・隼と晳を含む仲間達は、カラスの背に乗り飛んで行った。

 

* 

 

チリン、チリーン!!

亮斗達は、猛スピードで自転車を漕いでいた。昊は亮の住処を

知っている為、亮斗達を先導していた。昊に乗っている、亮斗

は言った。

「昊!ここから、どれ位掛かるんだ?」

「ここからだとちっと遠いいが、自転車ならなんとかなるさ!!」

「そうか!」

すると、

 

~♪

 

「はっ!昊、来るぞ!」

 

『さぁ~いよいよ、最終決戦になりました。亮斗選手は、逃げ切れるのでしょうか?』

『今回は一番、参加者が多いな』

あっ!田中さん、中田さん、来て下さったのですね!

『えぇ。何せ亮斗選手の、最後の勝負ですから』

『最後も遣らせて貰っても、良いか?』

勿論です!お願いします!

『はい!』

『イエッサー!』

それでは、田中・中田ペアの実況パート3を、お楽しみ下さい。

 

『さぁ~、亮斗選手は仲間と共に、亮の元へ向かっております』

『自転車漕ぐの早いなぁ~』

 

「何か嫌な予感が・・・」

「当たりじゃないか?」

 

『おっと、二人の元にカラスが、近づいております!』

『そろそろだな』

 

バサバサバサバサ!!!

「亮斗!」

「何だ!」

「雲達が見失った役員が、仲間と一緒にトラックで、近づいてるぞ!」

「マジで・・・・」

「当たったな」

 

『おや?亮斗チームの所に、トラックが近づいております』

『いつから、チームになったんだ?』

『メンバーが多いから、今決めた!』

『はぁ・・・』

 

「あっ!?先輩!あいつらですよ!!」

「何!?まだ、子供じゃないか!」

「でも籠入ってるの、ヒナじゃないですか?」

 

「カァー・・・」

「ヤバ!見つかったぞ!!昊、狭い路地で行けないか?」

「路地に入っちまうと、かなりキツイぞ!」

「それでも良い!このままじゃ、全員捕まる!」

「分かったぜ!」

 

『どうやら亮斗チームは、路地の方へ逃げる模様です』

『まぁ相手はトラックだし、妥当な所だな』

 

シャー!!

「路地に入るぞ!」

「うぉ!狭っ!」

 

『さぁー亮斗チームは、狭い路地に入りました!』

『確か、この先って・・・・』

 

「げっ!まさか・・・・」

「察しが早いな!ここで、一気に行くぜ!!」

 

『なんと亮斗チーム!この町でも有名な、地獄坂に向かっております!』

『大丈夫なのか!?』

 

「行くぞ~!!」

『おー!!』

シャー!!

 

「おっ、おい!あいつら、あの下り坂へ行ったぞ!」

「もっと、スピード上げろ!!」

ブーン!!

 

「ちっ!速いな!」

「てか、トラックと勝負している!俺らスゲー!!」

「全くだ!!」

 

『亮斗チームは、猛スピードで下っております!』

『相手の役員も、すげースピードだな。自転車相手に、ムキになり過ぎだな』

 

「昊!このスピードは、ヤバくないか!?」

「大丈夫だ。俺に策がある」

「本当か!?成功するのか!?」

「それは、亮斗次第だ!」

 

『いよいよ、この地獄坂の曲がり道に入ります!』

『あそこは、事故が絶えないからな』

 

「亮斗!タイミングは任せた!!」

「おう!」

シャー!!

「・・・・今だ!!左右に分かれて、ブレーキ掛けろ!!」

シャー・・・キッ、キーイ!!

「彼奴らブレーキ掛けたぞ!!」

「先輩!前、ま・え~!!」

「うわぁぁぁぁ~!!」

ガッ、シャーン!!

 

『役員チーム、そのまま電柱に突っ込んでしまいました!』

『まだ、亮斗チームが止まってないぞ!』

キーイ!!

「昊!止まらないぞ!!」

「ヤベ!ぶつかるぞ!」

『うわぁぁぁぁ~!!』

「私に任せて下さい!」

キラー!!

『!?』

キーイ・・・・

「・・・・止まった?」

 

『何とロアー選手により、亮斗チームは止まりました!』

『ナイス、タイミング!!』

 

『ロアー!』

「お待たせしましたー。力が戻るまで、時間が掛かっちゃいました」

「マジ、サンキューな!ロアー!」

「鈴木君」

「青春だな。昊」

「そうだな。亮斗」

「とにかく、道案内頼むわ」

「あぁ」

「皆!行くぞ!」

『おー!』

シャー・・・

 

『亮斗チームは再び、走り始めました!』

『ロアーも、“恋する乙女 ”だな』

 

 

『さぁー地獄坂をクリアした、亮斗チームは大通りを爆走しております』

『確かこの先って・・・・』

 

「昊!?あれヤバくねぇ!?」

「マジかよ~」

 

『何と、亮斗チームの向かう先には、工事中になっております!』

『しかも、でっかい穴があるぞ』

 

「どうするよ、昊」

「どうするってよ・・・・」

「おい!亮斗!彼奴らの仲間が来たぞ!」

「マジで・・・・」

「こうなったら・・・・行くしかねぇ~な!」

「本気か?」

「本気だ!」

 

『役員チームが、亮斗チームに追い着きつつあります!』

『そうとう怒ってるぞ。あれ』

 

「彼奴ら~!!絶対に捕まえてやる!!」

「先輩、恐っ!」

ブーン!!

 

「来たぞ!!」

「・・・・全員、進め~!!」

『おっ、おー!!』

シャー!!

 

『亮斗チーム、作業員を器用に避けながら、進んでおります!』

『すげーな!でも、あそこは通過出来るのか?』

 

「全員ストープ!!」

キッ、キーイ!!

「どうした、亮斗?」

「昊、前を見てみろ」

「前?・・・・!?」

 

『これは、厳しい!亮斗チームは鉄パイプで作られた、即席の道を通らなければなりません!!』

『俺だったら、絶対通らね~!!』

 

「亮斗!どうするよ!」

「・・・・これは、一人ずつ行くしかないな」

「じゃぁ、俺から行きまーす!」

「気をつけろ、たか!」

「OK!」

ギッ、ギーイ・・・ギッ・・・

「ふぅー。次来いよ!」

「おう。じゃ、次俺行きまーす!」

「すず、気をつけろ!」

「ラジャー」

 

『亮斗チームは、順調に渡っております』

『おい!役員チームが、走って来たぞ!』

 

「ヤバ!急げ!」

「うんな事言っても・・・・」

バキ!!

『へ?』

ギギギギギーイ!!

「うわ!乗って行けー!!」

『うわ~!!』

 

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