白桜学院高等学校シリーズ その2-2

白桜学院高等学校シリーズ2作目。

A5版全60ページ(シリーズ作最長作品)その2

 

直ぐに、隼の仲間達と仲良くなった亮斗は、会話に夢中になっていた。仲間の一人が言った。

「にしても遅いなぁ~ちび達」

彼らが出てから、結構時間が経っていた。

「あいつら、まさか外に・・・・」

「はぁ?それは無いだろ、さすがに」

「でも最近ちび達は、外に興味示してたぜ」

「う~ん・・・・」

「おまえ行けよ!」

「はぁ?おまえが行けよ!」

 大丈夫なのか?本当に?

亮斗が心配になっていると、突然隼に声を掛けられた。

「亮斗君?」

「何ですか?」

「僕ちょっと、彼らの所に行って来るよ」

「何処にいるか、分かるんですか?」

「多分だけど、彼らは外に行ったと思う」

「え!?」

 うそだろ!?

顔に出ていたのか、隼に直ぐにバレた。

「亮斗君が思うのも、無理ないよ。僕あの子達を、探しに行って来るよ。亮斗君はここに居てね。その方が安全・・・・」

ダメだ!!

亮斗は自分でも驚く程の、大きな声を出した。騒いでいた仲間

達も、静かになった。

「何で、一人で行くんですか!いくら何でも危険過ぎます!」

「でも、あの子達を見捨てられないよ!」

「なら、僕も一緒に行きます!!」

「ダメだよ、亮斗君!!関係の無い君を、巻き込む訳にはいかないよ!」

「関係大アリですよ!俺は隼さんと、友達になったと思ってます。隼さんの大切な仲間なら、僕にとっても大切な人です!だから、僕も行きます!!」

「亮斗君・・・・」

すると、

「なら話は早いな」

「晳(せき)さん!!」

隼仲間でリーダーの晳が、二人の所に来た。気迫に満ちた彼は、まさにリーダーその物だった。

「二人の話は、聞かせて貰ったぜ。亮斗!」

「はい!」

「おまえの男気、確(しか)と見させて貰ったぜ!」

晳は仲間達の方へ向き、大声で言った。

「おまえらはいつから、こんな小心者になったんだ!!」

『!?』

「おまえらには、ガッカリしたぜ!」

『・・・・』

シーン・・・・

暫くの間、沈黙が流れた。

「亮斗、隼!行くぞ!」

「はい!」

「はっ、はい!」

タッタッタッタッ・・・・

三人は隼・晳の仲間を探しに、外の方へ向かって行った。

 

 

 住処から程なく離れ、チャイムの音が聞こえてきた。外では

生徒が慌てて教室に入る、足音が大きくなっていた。三人は外

に抜ける入り口の近くに来ていた。前を歩いていた晳が止ま

り、亮斗の方を向いた。

「ここから先は、オレ達もほとんど踏み入れない、危険地帯だ。亮斗」

「はい」

「それを分かった上で、オレ達に着いて行くか?」

亮斗は息をスーと入れて、深呼吸をしてから答えた。

「もう、覚悟は出来てます。俺は、何処までも着いて行きます!」

「よし!行くぞ!」

「はい!!」

「はい!!」

三人は、前方にある穴を潜(くぐ)った。

「うわぁ!眩しい!」

「うっ・・・・」

「はっ、はい!何とか・・・・」

「僕も何とか・・・・」

太陽は真上に昇り、時刻は昼頃だった。木々の葉は紅葉し始め、

様々な色が日光で光輝いていた。どうやらここは、学校の庭の

ようだ。

「う~ん・・・ここは中庭?」

「うん。あの子達は多分、校庭の方に行ってるんじゃないかな?」

「何で校庭何かに行ったんだ?」

「とにかく、早く行こうぜ。何かあったら大変だしよ」

タッタッタッタッ・・・・

三人は、校庭の方へ向かった。その様子を見詰める影が、三人

に少しずつ近づいていた。

 

 

 グランドでは、男子がサッカーをしていた。相手のゴールに

向かって走る姿は、何とも楽しそうだった。

「いいなぁ~。俺もやりたいなぁ~・・・・」

「亮斗君は、サッカー?が好きなの?」

「はい」

「へぇ~。サッカーて面白ろいのか?」

「すっごく、楽しいですよ!」

「じゃぁ、この騒動が終わったら、僕達に教えてくれないかな?」

「えっ!?俺でいいんですか?」

「うん!是非!」

「オレからも頼むぜ」

「じゃぁ、終わったら教えますね!」

三人は会話をしつつも、校庭の花壇に辿り着いた。すると、

ガサガサ!!

「!?」

「!?」

「!?」

三人は一斉に振り向いた。

「・・・・いないですね」

「あぁ・・・・」

「うん・・・・」

 何か嫌な予感が・・・・

 

 ~♪

 

 ハッ!この音楽はまさか・・・・

その予感は見事に的中した。亮斗は二人の腕を掴んで、走り出した。

「おっ、おい!亮斗!?」

「亮斗君!?」

二人は慌てながらも、亮斗と一緒に走り出した。

 

『さぁー亮斗選手、危険を察知したのか走っております』

『てかまだ相手選手、紹介されてないし!』

あ!田中さん、中田さん!また来て下さったんですか?

『はい。またまた、来てしまいました』

『なんせ、亮斗の実況楽しいからな!』

そうですか。あっ!黒猫さんが、猛スピードで居ってますよ!?

しかも、もの凄い顔で。

『本当ですね~。襲う前に気付かれたのが、よっぽどショックだったんでしょうね~』

『そうぽいな』

ではまた実況を、やって頂けないでしょうか?

『はい。やらせて下さい』

『了解!!』

それでは、田中・中田ペアの、実況パート2をお楽しみ下さい。

 

『さぁ~亮斗選手、黒猫選手から必死に逃げております!』

『しかも今回は、亮斗選手に隼選手・晳選手が参戦。何だか、面白くなりそうだ~』

 

「のぉぉぉ~!!!捕まってたまるか~!!」

「にしても、亮斗!よくあれ(猫)に気付いたな!」

「いや~、前回似たような場面に、遭った事があったんで!!」

 

『さぁ~両選手、砂場の方へ向かっております』

『何か考えての、行動なのか?』

 

「晳さん!隼さん!」

「何だ亮斗!」

「何だい?亮斗君?」

「一旦、砂の中に、隠れるのはどうでしょうか!!」

「OK!!行くぞ!隼!」

「は、はい!」

 

『亮斗選手の提案により、砂場に向かう模様です!』

『つか、よく三人で会話出来るな!』

 

「おりゃ~!!」

ダダダダダダ!!

「とぉ!!」

バフーン!!

 

『なんと、亮斗選手!!砂の中へ、ダイブして行きました!!』

『他の二人も、ダイブして行った!!』

 

バフーン!!

「ニァー・・・・」

 

『黒猫選手、砂とホコリで、視界が悪くなっております』

『黒猫、苦戦してるな』

 

「ニァー・・・・ニァー・・・・」

 

『おっと黒猫選手、前足を器用に使って、三人を探しております!』

 

「何とか、やり過ごせそうか?」

「う~ん・・・・見つかるかもしれないですね・・・・」

「じゃぁ、少しずつ移動するのは、どうでしょうか?」

「そうだな」

「そうですね」

ズズズズズズ・・・・・

 

『おっと三人は砂場から、脱出する模様です』

『黒猫の方は、まだ気付いてないようだな』

 

「ニァー・・・・ニァ?」

 

『うん?何やら黒猫選手が、異常に気付いたようです!』

『何かヤバいんじゃないか?』

 

「ヤバ!!バレたか!?」

「え!?マジですか!?」

「二人共早く砂から、出た方がよろしいのでは?」

「そうだな。じゃぁ、行くぞ」

「はい!」

「はい!」

「よしゃー!せーの!!」

バフ!!

「ニァ!?」

「逃げろ~!!」

ダダダダダダ!!

「ニァー!!!」

 

『黒猫選手猛スピードで、追っかけております!どうやら、亮斗選手の作戦は、失敗に終わったようです!』

『これから、もっと面白くなりそうだな~★』

『おい、中田、ブラックスマイルはやめろ!!』

『うん?別に良いじゃん★』

『・・・・』

『お!またあの三人が、何か作戦を考えてるぜ』

 

「亮斗君、晳さん!」

「何だ、隼!」

「何ですか?」

「中庭の草木の中に居たら、猫が入って来ないのでは?」

「よしょっ!とにかく行くぞ!」

「はい!」

「はい!」

ダダダダダダ!!

 

『どうやら隼選手の提案により、中庭でバトルが、繰り広げられるようです』

『う~ん・・・・あの黒猫は、しぶといので有名だからなぁ~・・・』

 

「見えて来たぞ!」

「突っ込みますか?」

「突っ込め~!!」

バサバサバサバサ!!!

 

『なんと三人は、藪(やぶ)の中に突っ込んで行きました!!』

『黒猫は、どでるかな~・・・・あっ!!』

 

「ニァー!!!」

バキバキバキバキ!!

 

『なんと黒猫選手!!三人を追って、藪の中に突っ込んで行きました!!』

『ここまで来ると、根性だな』

 

「ニァ、ニァー!!」

バキバキバキバキ!!

「くっ、しつこい!!」

「このままだと、捕まっちゃいますよ!」

「あわわわわ!!」

「ちっ!・・・・あっ!」

「どうしました、晳さん?」

「この近くの、池はどうだ!!猫は水が苦手って、聞いたしよ!!」

「いいですね!」

「俺も賛成です!!」

「よし!行くぞ!!」

「はい!」

「はい!」

 

『さぁ~三人は、池の方へ向かうようです』

『ここまで追って来た猫が、簡単に退くのか?』

 

ダダダダダダ!!

 

『どうやら、三人は池に着いた模様です』

『どうでるかな~★』

 

「亮斗、隼!!」

「はい!」

「はい!」

「飛ぶぞ!!」

「はい!」

「・・・・へ?」

バッ!!

「はっ、へっ、ふっ、へっ!?あああ~~!!」

スタッ!スタッ!

・・・・バッシャーーン!!!

「亮斗~~!!」

「亮斗君!?」

 

『何と亮斗選手!!池にそのまま、飛び込んでしまいました~!!』

『あっちゃ~』

 

「ニァ!?」

 

『おっとその間に猫選手が、追い着きましたが、蓮の上に居る二人に届かないようです』

『やっぱ、猫は猫なのね』

 

「ニァ~・・・・」

 

『さぁ、水中に居る亮斗選手は、どうなっているのでしょうか?』

『水中カメラ行っきま~す』

『中田!?何処から出した!?』

『へへへ』

チャポン!

 

『水中カメラから、映像が送られて来ております』

『亮斗は何処だ~・・・・あっ!』

 

「・・・・」

 

『亮斗選手!全く動いておりません!!』

『気絶してるのか!?』

 

ゴボゴボ・・・・

 

『うん?何か接近してるぞ?』

『本当ですね。何でしょうか?』

 

ゴゴゴゴゴ!!

 

『何とメダカが、接近しております!!』

『しかも、大群じゃん!!』

 

ゴゴゴゴゴ!!

 

『メダカ達は、亮斗選手を連れて、浮上しております!』

 

バシャー!!

「・・・・ゲホッ!!・・・・はぁ、はぁ・・・死ぬかと思った・・・」

「亮斗!大丈夫か!」

「亮斗君!大丈夫?」

「・・・・はぁ、はぁ・・・・何とか」

「にしても、ありがとな!泉(せん)!!」

「いえいえ、突然落ちて来たんで、ビックリしましたよ!」

「へぇ?知り合いですか?」

「あぁ」

「はぁ。とにかく泉さん、ありがとうございました」

「どういたしまして。では、そろそろ戻ります」

「あぁ。元気でな!!」

ザバザバザバー・・・・

 

『さぁ~いよいよ、最終戦に入りました。黒猫選手も、池の縁まで歩いて来ました』

 

「ニァー・・・・」

「ちっ!ここにいても、勝負は終わらねぇ・・・・亮斗!おまえはここに居ろ!」

「へぇ?何言ってるんで・・・・」

「行くぞ!隼!!」

「はい!!」

バッ!バッ!

「あっ!!」

シュタッ!シュタッ!

「やい!アホたれ!!決着付けようじゃないか!!」

「ニァー!!!」

 

『黒猫選手!突進して行きます!!』

『うん?今何か居たような・・・・』

 

「今だ!!引っ張れーーー!!」

ビーン!!

「ニァ!?」

ドサーーーー・・・・

 

『何とロープが、突然現れました!!』

『あらゃ・・・隼と晳の仲間じゃないか?』

 

「晳さん!隼さん!大丈夫ですか!?」

「おまえら、何でここに居るんだ?」

「あなた方の勇士を見て、オレ達も行こう!て事になったんです!」

「そしたら、例の猫に追われているのを見つけたので、慌てて用意したんです!」

「おまえら・・・・」

 

『さぁー晳選手と隼選手は、仲間と絆を深めていますが、黒猫選手はどうなって、いるのでしょうか?』

『ちょっくら、行って来る!』

タッタッタッ・・・・

『おーい、大丈夫かー・・・・』

「・・・・」

『・・・・こりゃダメだ』

タッタッタッ!!

『よいしょっと。黒猫気絶してたぜ』

『そうか。黒猫選手が戦闘不能により、亮斗・隼・晳選手の勝利です!!作者の白桜さん、続きをお願いします』

はい!田中さん、中田さん、二回も実況してくださり、ありがとうございました。

『こちらこそ、ありがとうございました』

『ありがとうなぁ~』

タッタッタッタッ・・・・

 

亮斗は晳に泉を呼んで貰い、池の縁まで運んで貰った。

「また運んで貰って、ありがとうございました」

「いえいえ」

晳達は、亮斗の元に集まった。

 

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